お客様の課題に寄り添い、解決へのプロセスから導入後の成果まで、共に歩んだストーリーをご紹介します。


契約書や許可情報、マニフェスト、見積書、請求書など、多くの情報を扱う産業廃棄物業界。その一翼を担う静和エンバイロメント株式会社では、複数のツールによる分散管理や手作業によるデータ入力が業務負担となる一方、以前導入したシステムを十分に活用できず、新たな課題も抱えていました。
そこで同社は、ISTソフトウェアとともに業務全体を見直し、現場で使い続けられるシステムをスクラッチ開発で新たに構築。行政報告業務の効率化や請求処理の省力化、データの一元管理など、業務全体の生産性向上につながっています。
導入の背景やプロジェクトの進め方、導入後の変化について、お話を伺いました。
<お客さまプロフィール>
大村 真弘 様
静和エンバイロメント株式会社 管理部 企画支援課 係長
公式サイト https://www.seiwa-chemical.com/
―はじめに、静和エンバイロメント様の事業内容と、大村様の役割について教えてください。
大村 様:
当社は産業廃棄物の収集運搬・中間処理に加え、お客さまへ省エネやコスト削減を支援するエコテクノ事業、清掃メンテナンス事業なども展開しています。産業廃棄物に関するさまざまな課題をワンストップで解決できることが当社の強みです。
私は管理部 企画支援課に所属しており、会社全体の運営を支える業務を担当しながら、一般的な企業でいう情報システム部門の役割も担っています。
―専門の情報システム部門がない中で、システム運用を担う難しさもあったのではないでしょうか。
大村 様:
そうですね。私自身、ITの専門家というわけではありません。ホームページを作った経験はあるものの、システム開発に関する深い知識があるわけではないので、専門的な内容になると難しさを感じる場面は今でもあります。
また、現場では工場作業や収集運搬業務などに従事する社員も多く、ITに詳しい人ばかりではありません。だからこそ、システムは「誰でも簡単に使えること」がとても重要だと考えています。
―今回のシステム開発以前は、どのような課題を抱えていましたか。
大村 様:
特に苦労していたのは、業務ごとに分かれているシステム運用です。
見積書は見積書ソフト、売上は売上管理システム、さらに数量データは別システムというように、それぞれが独立していました。そのため、最終的に売上や請求を処理する際には、複数の画面や紙の資料を見比べながら担当者が手入力しなければなりませんでした。
―業界特有の事情も影響していたのでしょうか。
大村 様:
はい。産業廃棄物業界では、契約書だけでなく、運搬や処分に関する許可情報、マニフェスト(※)など、多くの情報を正確に管理しなければなりません。たとえば廃棄物を運搬する場合は、都道府県ごとの許可や廃棄物の種類ごとの許可、有効期限など、さまざまな情報を確認する必要があるんです。
こうした情報を正確に管理できなければ、適正な処理そのものが成り立ちません。当社は年間2万件以上のマニフェストを扱っていますが、これらに基づく行政への報告も都道府県ごとにフォーマットが異なり、以前は会社名の表記やデータ形式などを人の目で確認し、一つひとつ修正していました。効率だけでなく、正確性という面でも大きな負担になっていたと思います。
※マニフェスト:産業廃棄物管理票。産業廃棄物を排出する事業者が処理を外部委託する際に発行する管理伝票。廃棄物の種類や数量、処理工程などを記録し、適正に処理されたかを追跡・確認する義務が法律で定められている。

―業務効率化に向け、以前もシステム開発へ取り組まれていたと伺いました。
大村 様:
実は今回が初めてのシステム開発ではありません。以前にも外部のシステム会社へ開発を依頼し、業務改善を進めようとしていました。
ただ、運用を始めてみると、改修のたびに新たな不具合が発生したり、本来必要な要件を満たしていない状態が見つかったりして、思うように活用できなかったんです。
―そこから、どのような経緯でISTソフトウェアとのプロジェクトが始まったのでしょうか。
大村 様:
システムの評価を依頼していた第三者企業から「このまま改修し続けるより、一から作り直した方がいい」とアドバイスを受け、紹介してもらったのがISTソフトウェアでした。
私は前回の失敗を踏まえ、システム開発を外部に依頼する際には、技術力だけではなく業界への深い理解も求めるべきだと考えていました。その点、ISTソフトウェアはすでに産廃関連のシステム開発実績を有しており、要件定義について相談する中でも、制度や現場業務への知見が豊富なことがわかりました。「ここまで業界や業務を理解してくれているんだ」という安心感が少しずつ生まれていきましたね。
―特に印象に残っている提案はありますか。
大村 様:
一番印象的だったのは、「本当にすべてをシステム化する必要がありますか?」という問いかけでした。
私は当初、「できることはすべてシステムで自動化したい」と考えていました。しかしISTソフトウェアからは、「イレギュラーな業務まで無理にシステムへ組み込むと、かえって運用が複雑になってしまう」と指摘されたのです。
実際に整理してみると、イレギュラーな対応は業務全体の1〜2割程度しかありません。そこまでシステム化するよりも、日常業務を確実かつ効率的に処理できる仕組みを優先し、例外的なケースは現場運用でカバーするほうが現実的だと納得しました。
―具体的には、どのような場面でその考え方が生かされたのでしょうか。
大村 様:
例えば、お客様から「設備トラブルが発生したので、すぐ廃液を回収してほしい」といった緊急依頼を受けることがあります。このようなケースではスピードが求められるので、システムに頼るのではなく、まず現場対応を優先し、後から別途必要なデータ入力などを行う運用としました。
このように「すべてをシステム化しなくてもいい」という発想を持てたことが、今回のプロジェクト全体を通じて非常に重要だったと感じています。

―新システムを現場へ定着させるにあたり、特に意識したことを教えてください。
大村 様:
「誰でも使えるシステムにする」ことを強く意識しました。
現場で働いているのは、ITに慣れた社員ばかりではありません。そのため、画面を見ただけで操作方法がイメージできることや、必要以上に画面遷移が発生しないことなど、直感的に使える設計を重視しました。ベテラン社員などは最初こそ操作に戸惑う場面もありましたが、若手社員がフォローする体制も整えたため、大きな混乱なく運用をスタートできています。
―運用開始後のISTソフトウェアのフォロー体制についてはいかがでしょうか。
大村 様:
以前のシステムでは、改修をお願いすると別の不具合が発生してしまうことが何度もありました。そのため、「改修するのが怖い」という感覚すらありました。
一方、ISTソフトウェアは改善スピードが速く、大きなトラブルもほとんどありません。もちろん細かな調整はありますが、安心して改修を依頼できています。システムは「完成すれば終わり」ではありません。実際に使い始めてから見えてくる課題も多いので、運用しながら一緒にブラッシュアップしていけることはとても心強いですね。
―新システムの導入後、どのような変化を実感していますか?
大村 様:
私自身が担当している行政報告業務では、大幅な効率化を実現できました。以前は報告時期が近づくと、1か月前から少しずつ準備を進め、人の目でデータを確認・修正しながら集計していたんです。それが現在では必要なデータをCSVで出力し、加工するだけで、行政ごとの報告データを作成できるようになりました。体感では約2日分の作業時間を短縮できています。
さらに、一元管理されたデータをそのまま活用できるため、人為的な入力ミスや確認漏れのリスクも大幅に減っています。効率化だけでなく、正確性の向上という意味でも非常に大きな成果だと感じています。
他の担当者が進めている請求業務についても改善効果は顕著です。営業が作成した見積情報から現場での実績、請求までが一つのデータとしてつながったことで、これまで必要だった再入力作業がほぼ不要になりました。以前は月末になると請求処理のために残業する日が続いていましたが、現在はほぼ定時で業務を終えられるようになっています。
―当初は想定していなかった、副次的な効果はありましたか?
大村 様:
データが一元管理されたことで、案件ごとの情報共有が格段に進みました。引き継ぎがしやすくなり、属人化の解消にもつながっています。
また、原価や単価などの情報も案件ごとに手軽に把握できるようになったことで、業務効率化にとどまらず、データを活用した経営判断にも役立ち始めていると聞いています。

―今後、さらに取り組んでいきたいテーマはありますか?
大村 様:
AIの活用には大きな可能性を感じています。
例えば、産業廃棄物を運搬するための配車業務では、「どの車両を使うか」「どのドライバーを配置するか」「必要な資格や経験は何か」など、さまざまな条件を考慮しながら判断しています。こうした複雑な条件をAIが分析し、最適な組み合わせを提案してくれるようになれば、配車業務のさらなる効率化につながると思います。
―ISTソフトウェアとの間では、新たな取り組みもスタートしているそうですね。
大村 様:
はい。現在は法改正への対応を目的とした新たなシステム開発を進めています。法改正は待ってくれませんので、制度変更に合わせて迅速にシステムを見直していく必要があります。そうした対応についても、継続してサポートしてもらっています。
今回のプロジェクトを通じて改めて感じたのは、「システム導入はゴールではない」ということです。業務や法制度は変化し続けます。それに合わせてシステムも改善を重ねながら進化させていかなければいけません。
その変化に寄り添い、現場目線でともに考え続けてくれるISTソフトウェアは、私たちにとって本当に心強いパートナー。今後も、業務改善とさらなるデジタル活用に向けて、ともに新しい価値を生み出していきたいと考えています。
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