【ISTSWアカデミー】開催レポート05(2024年4月~6月開催分)

毎回、様々なテーマで開催している【ISTSW-AC】。
過去に開催された内容をレポートとして皆様にお届けします。

ISTソフトウェアでは、最新の技術動向や実践的な知見を共有し、共に学ぶ場としてISTSWアカデミー(ISTSW-AC)」を開催しています。様々なテーマで、職種や役職・年代にこだわらず、全社員の知見・ナレッジのレベルアップを目指しています。
本ページでは、過去の開催内容をレポートとしてまとめました。
お取引先さまにISTソフトウェアの取り組みを知っていただく機会として、また学生や若手の方々にはスキルアップや学びのヒントとして、ぜひご覧ください。

2024年4月開催概要

サイバーセキュリティについて

サイバー攻撃を前提とする「サイバーレジリエンス」の考え方を学び、具体的な下記のサービスについての説明がありました。

独自データを使った生成AIの開発(RAG)

生成AIは、誤った情報を生成するハルシネーションという課題を抱えています。この問題を解決し、独自データに基づいた正確な回答をさせる手法がRAG(Retrieval-Augmented Generation)です。RAGは、自然言語の質問と関連性の高い情報をベクトル検索によって外部データから探し出し、それを基にAIに回答を生成させます。この仕組みは、PythonフレームワークのLangChainを利用することで、効率的に実装できます。AIの改良手法としては他にファインチューニングもありますが、専門知識が必要でコストが高いという課題があります。

2024年5月開催概要

サイバーレジリエンスプラットフォーム Powered by Acronis

外部講師をお招きし、「サイバーレジリエンスプラットフォーム Powered by Acronis」のポイントを紹介いただきました。
EDRによる未知のマルウェア対策、3-2-1バックアップ原則、暗号化やコンプライアンス対応などが説明されました。医療機関でのランサム被害事例を通じ、バックアップの重要性も再認識しました。

ChatGPTだけじゃない生成AIの世界

生成AIの最新動向、OpenAI「GPT-4o」などの生成AIの進化が取り上げられ、文章・コード・画像・動画・音声など多様な生成AIの種類と主要サービス、API利用方法が具体的に解説されました。

2024年6月開催概要

セキュリティアセスメントの紹介

外部講師をお招きし、サイバーセキュリティ対策についてご紹介いただきました。
セキュリティ対策は、物理・技術・組織・人的の4側面から構成されると説明され、従業員教育の重要性が強調されました。教育サービスでは、従業員・経営層向けにカスタマイズ可能なカリキュラムやテストが用意され、ガバナンス強化を支援します。
また、当社でも利用・販売を行っている「Webセキュリティアセスメントサービス」による課題の可視化と優先順位付けが紹介されました。

医療業界を取り巻くIT、進むDX

当社の重点分野である医療分野に関して、開発メンバーから業界動向が解説されました。
医療業界のIT化は進む一方、電子カルテの普及は課題を抱えています。こうした中、2024年の惑星直列型改定を契機に、政府は全国医療情報プラットフォームの構築を推進。医療情報の標準規格としてHL7 FHIRの導入も進められています。しかし、医療機関を標的としたランサムウェアによるサイバー攻撃が深刻化しており、セキュリティ対策の転換が急務です。このような状況下で、診断支援や業務効率化が期待されるAI技術の活用には、堅牢なセキュリティ対策との両立が不可欠な課題となっています。

◆ 関連用語・キーワード集 ◆
  • サイバーレジリエンス
    サイバー攻撃を受けても事業を継続し、速やかに復旧させる能力。被害を前提とした守りの考え方です。
  • 標的型攻撃メール訓練
    実際の攻撃に似せたメールを従業員に送り、開封率や報告の有無を測定して対応力を高める訓練です。
  • ハルシネーション
    生成AIが、事実に基づかないもっともらしい嘘の情報を生成してしまう現象。「幻覚」という意味です。
  • RAG(Retrieval-Augmented Generation、ラグ)
    AIが外部の最新情報や専門知識を検索・参照し、より正確な回答を生成する仕組み。精度向上に貢献します。
  • ベクトル検索
    文章や画像の意味・文脈を数値(ベクトル)で捉え、関連性の高い情報を高速に探し出す検索技術です。
  • Pythonフレームワーク
    Python(パイソン)でのアプリ開発を効率化する雛形や骨組み。Django(ジャンゴ)やFlask(フラスク)などが有名です。
  • LangChain(ラングチェーン)
    生成AIを使い、より複雑なアプリケーションを容易に開発するための機能を提供するオープンソースフレームワークです。
  • ファインチューニング
    学習済みのAIモデルに、特定の専門知識やデータを追加学習させ、性能を特化・向上させる手法です。
  • 3-2-1バックアップ原則
    データを3つ複製し、2種類の媒体に保存し、そのうち1つは遠隔地に保管するというデータ保護の基本原則。
  • 惑星直列型改定
    複数の制度改定が、まるで惑星直列のように同じ時期に集中すること。医療や介護分野でよく使われます。
  • 全国医療情報プラットフォーム
    医療機関の間で患者情報を安全に共有・交換するための、国が整備を進める大規模な情報基盤です。
  • HL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources、エイチエルセブン ファイアー)
    医療情報を電子的に交換するための国際標準規格で、Web技術を基盤とした次世代標準フレームワーク。モバイル端末などでも使いやすいのが特徴です。
◆ 関連ページ ◆

今後もISTソフトウェアは、顧客企業さまに信頼いただける技術力と、次世代を担う人材の成長を支える学びの場を提供し続けます。
次回のISTSWアカデミー開催レポートで、また新しい出会いと発見を共にできることを楽しみにしております。

お問い合わせ先

株式会社ISTソフトウェア
ITサービス企画本部

TEL  :03-5480-6711
MAIL:benkyo-staff@ist-software.co.jp

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